産科/妊娠中の食事と感染症|中央町レディースクリニック|北九州市八幡東区の産婦人科
妊娠中の食事と感染症
母体と胎児の健康を守るために知っておきたいこと
妊娠中は、母体と赤ちゃん双方の健康を守るために、食事や生活習慣・生活行動に注意が必要です。その中でも、感染症のリスクを減らすための食事管理は知っておけば避けることが可能になります。ここでは、妊娠中に気を付けるべき食事と感染症予防のポイントについてお話しします。
妊娠と感染症リスク
妊娠というお腹(子宮)の中に赤ちゃんがいる特殊な状態であり、普段よりも感染症に注意をする必要があります。特に、食事を通じて感染するトキソプラズマ、リステリアそしてサイトメガロウイルスなどへの注意が必要です。
感染症予防のための食事管理
- 加熱調理を徹底する
肉、貝類は十分に加熱してから食べましょう。生肉/加熱不十分な肉類や貝類(牛トロ.レバ刺し、馬刺し、鳥刺し、ユッケ、タルタルステーキ、ジビエ、サラミ・生ハム・ジャーキーなど乾燥食肉製品(製造過程において異なります)、クジラ、2枚貝類)を避けましょう。
- 未殺菌乳製品を避ける
ナチュラルチーズや未殺菌の牛乳はリステリア菌のリスクがあるため、避けましょう。
- 果物や野菜はよく洗う
土壌や付着した細菌・寄生虫を除去するため、しっかりと洗浄しましょう。
- 調理器具やまな板の衛生
生肉や魚を扱った器具は必ず洗浄・消毒し、他の食品と分けて使いましょう。
- 小さなお子さんとの食事
小さなお子さんは様々な感染症を持つことがあります。つばやよだれにウイルスがいることがあるので、食品のシェア(お子さんの食べ残しを食べる)や食器の共有(お子さんが使用したフォーク・スプーンでの食事)は避けましょう。
特に知っていただきたい感染症
- リステリア症
リステリア菌は低温でも増殖しやすく、妊婦が感染すると流産や早産のリスクが高まります。生ハム、ナチュラルチーズは避けましょう。また乳製品ではありませんがスモークサーモンからの感染のリスクがあるため避けましょう。
- トキソプラズマ症
生肉や加熱不十分な肉、土壌に触れた野菜などから感染することがあります。肉は十分に加熱し、野菜は十分に土などの汚れを落としてきれいにしてから使用しましょう。食事との直接の関係はありませんが、猫の糞便からの感染も起こります。猫のお世話(特にトイレ)、砂場遊びやガーデニング(猫に汚染された土壌)は避ける、または手袋の着用やガーデニング後の手洗いを徹底しましょう。
- サイトメガロウイルス(CMV)
CMVは一般的なウイルスで、通常は幼少期に知らないうちに感染が成立(不顕性感染)し、抗体を保有していることが多いとされています。しかしながら近年は若年者の抗体保有率は90%から60%へと低下してきています。このため妊娠中に感染が起こってしまう可能性があります。妊娠中の感染は胎児に重篤な障害を及ぼす場合があり注意が必要です。唾液や尿を介して感染するため(母乳、輸血、性行為による感染もみられます)、乳児や幼児と接する際は、食器や食品のシェアを避け、手洗いを徹底してください。また鼻水を拭いてあげる時やオムツの取り扱いにも注意しましょう。
安全な外食・家庭でのポイント
- 新鮮な食材を選び、確実に調理・消費する
- 外食時は信頼できる店舗を利用し、生ものは避ける
- 手洗いをこまめに行う(特に調理前、食事前、トイレ後)
バランスのよい食事で免疫力もアップ
妊娠中は、感染症予防だけでなく、栄養バランスの取れた食事を心がけることが大切です。たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維をバランスよく摂取しましょう。特に、鉄分や葉酸、カルシウム、ビタミンCは妊娠中に必要量が増えるため、意識的に取り入れてください。
まとめ
妊娠中の食事は、感染症予防の観点からも非常に重要です。安全な食材の選択、調理・保存方法、衛生管理を徹底し、妊娠期を健やかに過ごすし下さい。気になることがあれば、必ず医師に相談してください。