
婦人科一般
婦人科一般
月経以外に性器から出血することを不正性器出血といいます。比較的新しい血液は赤色ですが、古くなると血液は茶~黒っぽくなることもあります。原因には、ホルモンのバランス異常によるもの、炎症によるもの(病原菌感染、子宮内膜炎、萎縮性腟炎など)、良性の腫瘍(子宮頸部・内膜のポリープ、子宮筋腫など)、悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣腫瘍、子宮肉腫、腟がん)、妊娠に関連するものがあります。病気ではないこともありますが、不正出血を繰り返す場合は何らかの病気が潜んでいることもありますので、受診して検査を受けることが大切です。
最も多い症状は月経時の痛みで、腹痛や腰痛に加えて、頭痛や、肛門周囲に痛みを感じることもあります。器質性月経困難症と機能性月経困難症があります。器質性月経困難症は、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮の形の異常などの病気が原因となります。機能性月経困難症は、明らかな病変は認めないものの、月経の血液を排出する際に子宮が収縮しすぎてしまうことや、頸管(子宮の出口)が狭いことが原因となることがあります。治療として、漢方薬、鎮痛剤、低用量エストロゲンフプロゲスチン配合剤(ピル)、プロゲスチン製剤、ミレーナ(レボノルゲストレル放出子宮内システム)などがあります。
月経量が多く、レバーのような塊がたくさん出る、夜用ナプキンを1日に何回も交換しなければならないときは過多月経の可能性があります。子宮筋腫や、子宮内膜症、子宮内膜増殖症などの疾患を認める場合や、疾患を認めないこともあります。治療として、止血剤、低用量もしくは中用量エストロゲンプロゲスチン配合剤、ミレーナ(レボノルゲストレル放出子宮内システム)などがあります。
主な原因として、接触性皮膚炎、感染症(カンジダ、ウイルス、寄生虫など)、皮膚固有疾患、萎縮性変化などがあります。原因の同定後に、原因物質の除去、内服薬、軟膏塗布などの適した治療を行います。
日本人女性の平均的な閉経時期は約50歳といわれ、閉経前後の5年間を併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れる多種多様な症状の中で、原因となる他の疾患のない症状を更年期症状とよび、日常生活に支障をきたす病態を更年期障害と呼びます。症状は大きく3つに分けられます。
治療として、漢方薬、ホルモン療法やプラセンタ療法があります。
子宮の筋層にできる良性腫瘍です。多くは無症状ですが、月経過多や月経痛など様々な症状の原因になったり、不妊や流産の原因になったりすることもあります。無症状であれば、基本的には経過観察となることが多いのですが、症状の種類や重症度、年齢、妊娠の希望などを総合的に判断して選択していきます。
子宮内膜に類似する組織が子宮内腔以外の部位で発生、発育する病気です。月経痛が主な症状ですが、月経時以外にも腰痛や下腹痛、排便痛、性交痛などがみられます。治療は薬物治療と手術による治療があり、症状の種類や重症度、年齢、妊娠の希望などを総合的に判断して選択していきます。
卵巣腫瘍は小さいうちは無症状なことが多く、大きくなったり、腫瘍がお腹の中でねじれてしまったりすると、突然、強い下腹部痛が起こることもあります。小さい場合は、生理的な卵巣の腫れであることも多く、経過観察を行います。大きい場合や小さくても明らかに腫瘍が疑われる場合は手術を勧めます。
加齢の変化で骨盤底の筋肉が弱くなり、子宮や膣壁が正常の位置より下垂する病気です。進行すると膣外に子宮、膣壁などの臓器が脱出することがあります。更年期以降の女性に認められ、お産経験がある女性に見られることが多いとされています。軽度の場合は骨盤底筋訓練、中等度以上であれば、ペッサリー療法、手術療法があります。
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